コラム

賃借人が夜逃げした! 部屋を明け渡してもらうためにすべき手続

2022.12.20

問い

マンションを人に賃貸していますが、賃借人が家賃を滞納したまま夜逃げしてしまいました。部屋に残された物を処分して、新しい人に賃貸して良いですか。

 

答え

賃借人と連絡が取れない場合でも、家主が勝手に賃借人の物を処分することは不法行為に当たりますので、すべきではありません。

滞納が長期にわたっているのに、賃借人と連絡が取れず、家賃を支払ってもらえない場合、まずは賃貸借契約を解除する必要があります。

賃借人の所在が分からず、契約解除通知を送ることができない場合、裁判所に公示送達を申し立てることにより、解除通知をすることができます。

賃借人との賃貸借契約を解除すると、賃借人には部屋を明け渡す義務が発生します。

しかし、賃借人と連絡が取れず、明け渡しをしてくれない場合は、賃借人に対して明け渡しを求める民事訴訟を起こさなければなりません。賃借人の所在が分からない場合は、公示送達によって訴訟を起こすことができます。

家主は、裁判所が賃借人に明け渡しを命じる判決を出して、初めて、強制的に部屋の明け渡しを実現することができます。

このように、賃借人が所謂夜逃げをした場合であっても、家主が勝手に部屋を片付けることはできず、場合によっては訴訟を起こさなければなりません。

賃貸借契約の解除、明渡しの手続については、弁護士にご相談いただいた上で進めることが肝心です。