所員の書いた本

大阪法律事務所の弁護士の書いた本をご紹介します。

ジュリスト増刊『実務に効く労働判例精選』〔第2版〕

岩村正彦・中山慈夫・宮里邦雄編(2018年10月 有斐閣)

全国の弁護士30人の執筆による「実務に効く労働判例精選」〔第2版〕が刊行されました。法律実務家がその経験を生かして最新の裁判例の“勘どころ”を解説していくというもので、第2版では各執筆者が初版とは別のテーマを執筆することになりました。当事務所の城塚健之弁護士は「整理解雇」の項を担当しています。

『書式 労働事件の実務 本案訴訟・仮処分・労働審判・あっせん手続きまで』

労働紛争実務研究会編(2018年 民事法研究会)

労働事件全般について、法律相談から、訴訟、仮処分、労働審判、労働委員会その他の手続までカバーする法律実務家向け解説書。書式例を掲げ、実体法上の知識と手続上の留意点を解説しています。大阪弁護士会に所属する労使双方の弁護士18名の共同執筆によるもので、城塚弁護士は労働側のお世話役を務めました。

『性暴力被害者の法的支援 性的自己決定権・性的人格権の確立に向けて』

特定非営利活動法人 性暴力救援センター・大阪SACHICO 編(2016年 信山社)

性暴力救援センター・大阪SACHICOは、日本で初めての性暴力被害者支援ワンストップセンターです。大阪府松原市にある、阪南中央病院内に開設された施設で、性暴力の被害者に対する医療的支援や法的支援、精神面での支援を提供しています。
本書は、このような性暴力被害者に対する支援を積み重ねてきた経験をもとに作成された、性暴力被害者支援の手引きです。
性暴力被害のケースごとに支援のあり方を検討し、問題点について解説するという構成になっており、支援者だけでなく、広く性暴力の問題に関心のある方に読んでいただきたい本です。平成29年度刑法改正にも対応しており、性暴力被害者支援の最先端知識が盛り込まれた一冊です。

当事務所の藤井弁護士は、大阪SACHICOで性暴力被害者の法的支援に携わっており、本書の一部を執筆しました。

『自治体職員の働く権利Q&A』

中尾誠・渥美雅康・城塚健之編集代表、自治労連弁護団編(2016年 日本評論社)

ほとんどの自治体職員は、住民の役に立ちたいという初心を大切にしながらまじめに働いています。近年、一部の不適切な事例をことさらにとりあげて公務員全体の権利を否定的に見る「公務員バッシング」の風潮が顕著ですが、自治体職員の賃金・権利の切り下げは、民間労働者の賃金・権利の切り下げに直結します。これはたいへんまずいのではないか。今こそ、憲法や労働法の基本をふまえて、自治体職員の権利を解説する書物が必要ではないか。本書はそうした問題意識から生まれました。

公務員の世界は適用法律もややこしいのですが、それを平易に解説するとともに、アップツーデートな論点や、最新の裁判例もフォローしています。

編集代表の城塚健之弁護士は、自治労連全国弁護団事務局長。また、谷智恵子弁護士も執筆陣に参加しています。

日本評論社のホームページ http://www.nippyo.co.jp/book/7097.html

『これでいいのか 自治体アウトソーシング』

城塚健之・尾林芳匡・森裕之・山口真美編著(2014年 自治体研究社)

安倍政権は、金儲けのためなら何をしても許されるとばかりに、労働法破壊をはじめとする新自由主義改革を進めようとしています。かつて小泉構造改革が格差と貧困を生み出したことも、まるでなかったかのようです。そしてその新自由主義改革の大きな柱が自治体アウトソーシングです。

それがどんな社会をもたらすのでしょうか。それで市井の人々のくらしがよくなるというのでしょうか。弁護士が、財政学者や自治体で行政サービスの一線を担っている方々とともに考えていきます。大阪都構想をめぐる最新の状況もフォロー。

『知っておきたい! 養育費算定のこと 貧困母子世帯をなくすために』

大阪弁護士会貧困・生活再建問題対策本部女性と子供の貧困部会編(2013年 かもがわ出版)

今、日本では急速に貧困が拡大し、子どもの貧困、若い女性の貧困は深刻化を増しています。その中でも、特にひとり親世帯の子どもは、半数以上が貧困状態にあると言われています。

ひとり親世帯での子どもの生活を支えるべき養育費は、協議離婚した夫婦のうち、3分の1程度しか取り決めがなされておらず、取り決めがされても履行されないことが多いのが現状です。また、子どもの養育という観点から見て、不公平・不十分な取り決めがなされることも少なくありません。

大阪弁護士会では、2010年に貧困・生活再建問題対策本部を立ち上げ、貧困を巡る様々な問題の調査・研究を行ってきました。その中の一つである「女性と子どもの貧困部会」は、特に女性や子どもの貧困問題に焦点を絞って、調査研究を行っています。

本書は、私たち弁護士が、離婚事件などを通じて不合理を感じている養育費問題を取りあげ、養育費の取り決めや支払いの実情、養育費の算定方法や確保の方法などについて、裁判例等を挙げながら解説したものです。

当事務所の藤井恭子弁護士が、「女性と子どもの貧困部会」の一員として、執筆を担当しました。

ジュリスト増刊『実務に効く労働判例精選』

岩村正彦・中山慈夫・宮里邦雄編(2014年 有斐閣)

法律を初めて学ぶ者の副読本として、学者が執筆する「判例百選」シリーズがあります。これに飽き足りない、実務家向けのアドバンス版として新たに企画されたのが「実務に効く判例精選」シリーズです。

このうち、「労働判例精選」は、全国の弁護士25人の執筆によるもので、当事務所の城塚健之弁護士は「有期労働契約の雇止め」の項を担当しています。

『橋下「大阪維新」と国・自治体のかたち ― 人権・地方自治・民主主義の危機』

鶴田廣巳・大阪自治体問題研究所編(2012年 自治体研究社)

大阪の橋下市長率いる「大阪維新の会」が、「日本維新の会」として国政進出を決めたことから、マスコミは連日これを大きくとりあげ、選挙に有利とばかりに、民主党や自民党などを離党してこれに合流する国会議員の動きも報じられています。

しかし、橋下市長や維新の会がこれまで大阪で行ってきたことは、憲法と法律を踏みにじって公務員とその労働組合を徹底的に攻撃し、黒字の地下鉄の売却や道頓堀プールなどのお祭り騒ぎを進める反面、文化施設や庶民の足である赤バスは廃止するなど、大企業への破格の優遇と市民サービスの徹底した切りつめでした。他方で、財界とは本気で喧嘩はできませんから、原発問題では発言はぶれまくりです。これと同じことが国政で行われたら、この国はどうなってしまうのでしょうか。

本書は、市政改革プランや公務員に対する条例など、橋下「大阪維新」の打ち出してきた政策とその実情を検証し、橋下「大阪維新」が目指す政治の危険性を指摘するものです。

当事務所の城塚健之弁護士も執筆しています(第4章)。

『自治体ポピュリズムを問う – 大阪維新改革・河村流減税の投げかけるもの』

榊原秀訓編著(2012年 自治体研究社)

2011年11月のダブル選挙で大勝した橋下大阪市長いる大阪維新の会は、「独裁」のどこが悪いと言わんばかりに、次々と「敵」を作り出してはこれを叩きのめすという手法で大衆の喝采を集めています。目下の「敵」は地方公務員とその労働組合。そして何が何でも制定したい教育・職員基本条例は、教職員や自治体職員に知事や市長に対する絶対的服従を迫るもの。普通の企業だったら考えられないような「上から目線」の乱暴な仕組みを市民は歓迎するのでしょうか。この大衆扇動型のポピュリズムは、ワイマール憲法下でファシズムに転落していった戦前のドイツの再現ではないでしょうか。

本書は、憲法学、行政法学、財政学などの研究者が橋下氏や河村名古屋市長らの政治手法の問題点を明らかにしたものです。この中で当事務所の城塚健之弁護士は大阪府職員基本条例の法的問題点を解明しています。

破壊の跡に広がる荒廃・・・大阪を、全国を、そんな街にしてはなりません。

お求めは書店または自治体研究社ホームページから。

『自治体の偽装請負』

自治体の偽装請負研究会編(2011年 自治体研究社)

社会問題となった偽装請負は、実は自治体にも蔓延しています。この偽装請負は、労働者派遣法に違反するだけでなく、労働者の生活と権利をないがしろにし、ワーキングプアを生み出す温床となっています。

本書は、これまでに明るみに出た自治体の偽装請負の事例を紹介するとともに、自治体に偽装請負がはびこるに至った背景、問題点、その是正方法などを紹介するとともに、行政サービスは安ければそれでよいとする風潮に警鐘を鳴らすものです。

「自治体の偽装請負研究会」は自治体の労働問題に詳しい弁護士や労働組合役員による研究会で、当事務所の城塚健之弁護士はその主要メンバーです。

お求めは書店または自治体研究社ホームページから。

『労働契約と法』

西谷敏・根本到編著(城塚健之共著)(2011年 旬報社)

2008年、労働契約法が施行されましたが、その内容はきわめて不十分なもので、労働裁判の多くは依然として判例法理を軸に動いています。本書は、労働契約法の条文と、あまたの労働弁護士のチャレンジにより獲得されてきた判例法理を結びつけるとともに、今後の労働契約法のあり方について問題提起をするものです。

著名な労働法学者の中にまじって、当事務所の城塚健之弁護士が「第14章 公務員と労働契約法」を執筆しています。

『アスベスト惨禍を国に問う』

大阪じん肺アスベスト弁護団・泉南地域の石綿被害と市民の会(2009年)

大阪泉南地域では、100年もの間、アスベスト紡績工場が地場産業として操業し、たくさんの被害者が、過去から現在まで出続け、今後も出ることが予想されています。アスベストが、体の中の「静かな時限爆弾」といわれるゆえんです。

国は、すでに戦前から、泉南のアスベスト被害を分かっていて、やろうと思えば対策も取れた、なのに何もしませんでした。

国にアスベストの加害責任を問うて、泉南の被害者が裁判をしています。全国に先駆けての裁判です。泉南のアスベスト被害者の苦しみ、泉南石綿業の成り立ち、国の責任の根拠をコンパクトに書いています。

弁護団には、大阪法律事務所から、谷、長野が参加しています。

『官製ワーキングプアを生んだ公共サービス「改革」』

城塚健之(2008年 自治体研究社)

自治体の公共サービスは、国民・住民の人権保障のためにこそあるもの。しかし、構造改革がそうした公共サービスのあり方をゆがめています。数値目標に基づき生活保護の申請をさせないための「水際作戦」が展開されたり、貧困で地方税を滞納すると福祉サービスが差し止められたり、行政サービスが営利企業の金儲けの手段とされたり(こうした企業は、もうからないとみればさっさと撤退します)、その結果、悲惨な事故が起きたりと、問題事例は枚挙にいとまがありません。

そして、安ければ安いほどいいだろうとばかりに進行する人件費の切り下げと、それによる「官製ワーキングプア」の増加。本来、格差社会に立ち向かうべき自治体がみずから「官製ワーキングプア」を作り出してどうするのでしょうか。それで公共サービスの質が低下しないはずがありません。そのしわ寄せをうけるのは住民です。城塚弁護士の各地での講演活動のエッセンスを凝縮した1冊です。

お求めは書店または自治体研究社ホームページから。

『Q&A自治体アウトソーシングの新段階』

自治体アウトソーシング研究会編 (2007年 自治体研究社)

城塚健之弁護士がメンバーとなっている「自治体アウトソーシング研究会」 の最新刊。市場化テスト法の成立を受けて、「構造改革」の主要な柱である自 治体アウトソーシング=「公務の市場化」は新たな段階を迎えました。

他方で、 相次いで発覚する建築基準耐震偽装事件や、小学生が犠牲となった痛ましい2006年夏のふじみ野市プール事故は、政府や財界の進める「公務の市場化」 がどんな悲惨な結末をもたらすかを示しています。

本書は、自治体アウトソーシングの法的ツールである市場化テスト、指定管 理者制度、PFI、地方独立行政法人等をめぐる現状と問題点をQ&A方式で 明らかにしています。

『犯罪被害者支援と弁護士』

宮澤浩一・國松孝次監修(杉本吉史共著)(2000年 東京法令出版)

犯罪被害者の支援において、弁護士に期待される役割には大きなものがあります。本書は、弁護士が犯罪被害者を支援する意義を理論的に整理し、あるべき弁護士の関与の在り方を論じています。

また、犯罪被害者の具体的な支援の方法について、経験深い弁護士による紹介がなされた実践の書でもあります。