憲法の扉

自民党の改憲案で何が変わるか(1)

2019.03.29

何がなんでも自らの自民党総裁任期中に改憲をしたい安倍首相は、改憲4項目を提示して国会発議に持ち込もうとしています。でも、改憲は日本の未来にとって本当に必要なのでしょうか。安倍改憲4項目をワンポイント解説します。

「憲法9条」

「自衛隊を憲法に書き加えても、何も変わりません。」安倍首相は、2018年5月3日の憲法記念日に、今の自衛隊を憲法上正当なものとすることだけが改憲の理由だと訴えました。

しかし、戦力の不保持を謳う憲法があればこそ、自衛隊は「自衛のための必要最小限度の実力」ということで、予算上も権限上も歯止めをかけることができてきました。ところが、憲法に自衛隊の存在が明記されることとなれば、自衛隊の装備拡大を制限することは難しくなるでしょう。当然、防衛予算は今以上に増大します。自衛隊内部の情報も防衛に関する秘密として、国民が知ることが難しくなるでしょうし、そのような情報にアクセスすること自体が犯罪とされてしまうでしょう。

「緊急事態条項」

緊急事態条項は、非常事態の時に政府に権限を集中させ、国民の権利を制限するものです。そうなれば、テロ対策と称する自衛隊の暴走に対して、国民が批判の声を上げることにたいしても、内閣がすぐにそれを規制して、都合の悪いことを隠してしまいかねません。