コラム

増える外国人労働者

2020.10.30

日本で働く外国人労働者が急激に増加しています。

高齢化による労働力の減少、政府による外国人労働者の受け入れ拡大を背景に、大企業だけでなく、中小企業でも外国人労働者の受け入れが進んでいます。

しかし、企業の中には、受け入れ体制が不十分で、業務上の安全確保ができないまま、外国人労働者を受け入れているケースがあります。

私が成年後見人を務めているベトナム人の男性は、特定技能という在留資格を得て、大阪府内の製造会社で働いていました。

しかし、業務中の事故で大怪我をして意識が戻らない状態になり、病院で寝たきりになってしまっています。

その会社には、ベトナム語を話せる社員はおらず、他のベトナム人の労働者の中で、作業に習熟している人もいませんでした。

そのため、作業上の注意事項などを丁寧に伝えることができず、作業中の安全確保が不十分であったために、大きな事故に繋がった可能性があります。

労働力不足を補うため、日本は急ピッチで外国人労働者を受け入れており、企業にも外国人に頼らざるを得ない事情があります。

しかし、最低限の職場の安全確保ができないまま、安易に外国人を受け入れた結果、重大な事故が多発しています。低すぎる賃金で働かせるなどの人権侵害も後を絶ちません。

人口減少に伴う外国人労働者の急増という大きな波の中で、どのようにして、日本で働く外国人の生命と人権を守っていくのかが問われています。