問い 長年住んでいた借家から転居することになりましたが、家主さんから原状回復をするよう求められました。何をすれば良いのでしょうか。 答え 転居によって建物の賃貸借契約が終了すると、借主には原状回復をす …続きを読む
2018年に成立した働き方改革関連法の一部である「同一労働同一賃金」に関する改正法が、2020年4月(中小企業は2021年4月)より施行されました。同じ会社で働く正社員と非正規労働者(有期雇用、パートタイム、派遣労働者)の間の基本給や賞与、手当、休暇制度などについて、不合理な差を設けることが禁止されました。
このうち、有期雇用労働者の「同一労働同一賃金」を定めた規定は既にあり、不合理な待遇差の解消を求めて全国各地で裁判が行われています。そして、この規定は、定年後再雇用された労働者にも適用されるのです。
私の依頼者であるAさんは、60歳の定年退職後、1年ごとに期間を更新する契約で再雇用されました。普段の業務内容は定年前と全く変わらないのに、基本給が減らされ、賞与がなくなり、家族手当・住宅手当や有資格者に支給されていた危険物取扱者手当も支給されなくなり、年収が定年前の60%に減りました。Aさんは、正社員との間の給料の差は不合理であると、賞与や各種手当の支払いを求めて訴えました。
正社員と非正規労働者の待遇に差がある場合は合理的な理由が必要となりますが、このケースのように「定年後再雇用だから」という不合理な理由だけで待遇が悪くなったという方は多いと思います。定年後再雇用であっても仕事の内容と責任に応じた待遇を得られる社会になるよう、法改正がなされた今、ひとりひとりの取組みが大切です。