コミュニケーションのツールとしてのオンライン通信は、もはや日常生活に欠くことができないものとなりましたが、裁判の世界でもIT化が進行しています。 民事裁判では、新型コロナ感染拡大の影響もあり、裁判の争 …続きを読む
問い
2020年4月から改正民法が施行されたと聞きました。
消滅時効についてのルールが変わったそうですが、どうなりましたか。
答え
消滅時効の期間は、「飲み屋のツケは時効1年」など、債権の種類によってバラバラに決められ、複雑で分かりにくいものでした。民法改正で時効期間が統一され、①権利を行使できることを知った時から5年、②権利を行使できる時から10年というルールになりました。
人の生命・身体の侵害による損害賠償請求権は②(権利を行使できる時からの期間)が20年間となります。
新しいルールが適用されるのは、2020年4月1日以降に発生した債権です。2020年4月1日より前に締結した契約により生じた債権は、支払期日が2020年4月1日以降でも改正法は適用されません。
労働者の賃金は、労働基準法で消滅時効期間が2年と定められていました。民法改正に合わせ、当面は消滅時効期間が3年とされることになりました。残業代も賃金ですので、給料日から3年間請求可能となります。新しいルールが適用されるのは、給料日が2020年4月1日以降に到来する賃金債権です。労使双方に大きな影響がありますのでご注意ください。