コラム

民事執行法改正 判決が出たのにお金を返してもらえなかったら?

2020.09.01

問い

大事なお金を貸したのに返してもらえません。裁判を起こして勝訴の判決が出ても払ってもらえない時は、どうしたらいいでしょうか。

答え

相手が判決で支払を命じられても返さない場合は、その判決に基づいて、強制執行という方法を取ります。相手の財産を探して、その財産から強制的に回収するという方法です。問題は、相手がどこに財産を持っているか分からない時、どうするかです。

これまでには財産開示手続という方法もありましたが、罰則が軽いため、相手が呼び出しに応じなかったり、嘘を言ったりすることから、あまり効果がありませんでした。しかし、法律(民事執行法)が改正され、その罰則が強化されて、最高で懲役刑が科されることとなりました。

その他にも、民事執行法の改正で、裁判所を通じて、相手が不動産を持っていないかを調査できる制度(不動産に関する情報取得手続)や、銀行等の金融機関に対し、預貯金についての情報を求める制度(預貯金債権等に関する情報取得手続)が新設されました。

養育費などの扶養料債権や生命、身体への侵害による損害賠償請求権については、相手がどこから給料を得ているかという情報も得ることができます(給与債権の情報取得制度)。お悩みの方は、是非この機会にご相談ください。