憲法の扉

「日・中・韓 平和絵本」シリーズから-平和図書コーナーの本を紹介します②

2020.03.19

平和の大切さを絵本で世界の子どもたちに伝えようと、東アジアの日・中・韓3か国の作家や出版社が協力し合って共同出版してきたオリジナル絵本シリーズです。

詳しくは童心社のホームページをぜひご覧ください。

大阪法律事務所の平和図書コーナーでは、4冊をお読みいただけます。

「父さんたちが生きた日々」、「非武装地帯に春がくると」を紹介します。

 

「父さんたちが生きた日々」 岑龍(ツェンロン) 作  中由美子 訳

父さんは人類学を学ぶため中国から東京へ留学し、本当の兄弟のように仲良くなった日本の学友とともに学問に励みます。

その最中、日中戦争が開戦。ひきとめる先生や学友をふりきり祖国へ帰ることを決意した父さんは、学友と「戦争が終わったら桜のさくころに会おう」と約束し、大切にしていた家族の写真を贈りました。

終戦後、父さんのもとには日本から1通の手紙と2枚の写真が届きます。そこには・・・。

 

人の命を奪うだけでなく、国境を越えた友情やそれぞれの家族を引き裂く戦争の無情さを考えさせられる切ない物語です。

 

「非武装地帯に春がくると」 イ・オクベ 作  おおたけきよみ 訳

朝鮮半島を南北に分ける非武装地帯(DMZ)は、鉄条網で囲まれています。立ち入りが制限されているために、絶滅の恐れのある動物・植物もたくさん見られますが、動物や魚が行き来しても、人が入ることは許されません。周辺では定期的に軍人たちの訓練が行われます。

豊かな自然が季節とともに巡るたびに、展望台にのぼって、北の大地と空を眺めるおじいさんの思いは・・・・。

あたたかな色彩の繊細で克明な絵に、祖国統一と平和への深い願いがこもっています。