コラム

セクハラ学習会の講師をして

2018.12.17

♯MeToo運動や財務官僚のセクハラ問題など、セクハラが注目を集めています。そんな中、セクハラ学習会の講師をしてきました。

一口にセクハラと言っても、強制わいせつ罪にあたる行為から職場での日々の会話の中で生じるものまで、幅広い行為を含みます。

「セクハラだとは思わなかった」「嫌がっているとは思わなかった」。多くの事例での加害者の言い訳です。しかし、被害者が表面的には嫌がる素振りを見せていなくても、上司と部下といった関係性から抵抗することは困難であったとセクハラを認定したケースは裁判でも多々あります。加害者と被害者の認識のギャップからセクハラが発生することも多いです。

しかし、現実には、セクハラについての認識のギャップ云々のレベルではなく、上下関係を利用して身体接触を繰り返すような、あからさまなセクハラ事例がまだまだ多いです。「どこからがセクハラですか?」という質問の答えは難しそうに思えますが、どんな言動だったのか?その程度や回数は?被害者が感じた不快感や嫌悪感、恐怖心はどの程度であったか?当事者の立場や人間関係は?といった事情から、セクハラにあたるか否かは案外はっきりしていることが多いです。

セクハラは性的自由といった個人の人格権を侵害する行為であり、被害者にとってはどんな言動でも深刻な問題であることに変わりありません。問題は、被害者が勇気を出して相談できる環境がなかなか整っていないことで、その方策が今後も求められます。