コラム

パワハラは許されない!

2018.05.01

職場での上司から部下に対する暴言や暴力―パワーハラスメントが横行しています。

数年前に、私のもとに相談に訪れたのは、20代の女性でした。

レストランの厨房で、調理員として働いていたところ、男性の上司から、凄まじいパワハラを受けるようになったのです。

他のスタッフがいる前で、大声で罵倒され、顔を殴られ、お腹や背中を蹴られる被害を、日常的に受けるようになりました。

数ヶ月間パワハラが横行した後、女性が上司から受けた暴力で怪我をしたことで、レストランを運営する会社が事態を把握し、上司は異動させられました。

ようやくパワハラは収まりましたが、会社が女性に提示した慰謝料は雀の涙ほどの金額。

女性は、到底納得できないと、事務所に相談に来られたのでした。

パワハラは、従業員同士のけんかではなく、使用者が、労働者の安全に配慮する義務を怠ることによって起こるものです。

この女性の件も、上司によるパワハラが横行した原因は、会社がパワハラを未然に防ぐ措置をしないまま、職場を放置したことにありました。

交渉の中で、会社の責任を指摘したところ、会社が最初に提示した金額を大幅に上回る慰謝料を勝ち取ることができました。

同時に、従業員にパワハラに関する講習を受けさせるなど、パワハラを二度と起こさないための努力を、会社に約束させることができたため、女性はその後も、同じ会社で働き続けることができています。

パワハラをなくすためには、会社に対してしっかりと責任を問い、パワハラ防止策をとってもらわなくてはなりません。

パワハラ被害はまだまだ横行していますが、一つ一つの事件で、できうる限りのことをしていきたいと思っています。