谷町だより

「刑事フォイル」が終わってしまった

2016.05.02

大阪法律事務所で高視聴率をキープした「刑事フォイル」(BSプレ・日曜21時)が終了しました。
 
原題(FOYLE’S WAR)のとおり、第二次世界大戦下の英国が舞台。警視正フォイルらが捜査する窃盗、殺人等々の事件に、戦争が深い影を落とします。
 
人々(特に資本家)は戦争を機会に金儲けを企み、金の力で徴兵から免れるなど利権を得ようとする。また、当初はドイツが優勢で、人々は脅え、物資も不足し、ナチスを信奉したり取引を結ぼうともする。そうした世相が犯罪の背景になっていきます。
 
政府が「戦争」のかけ声をかけても、人間の弱さ・どうしようもなさは変わらない。逆に、英国の市民として生活してきたドイツ・イタリア出身の人達は、迫害され追い詰められる。「戦争」の下では、憎しみを煽ることは簡単なのです。
 
ミステリーとしても秀逸で、1話が2回(前後編)完結なのですが、私は、毎回、最後まで真犯人が分かりませんでした。階級社会の英国で、フォイルがどのような地位・職業・立場の人物に対しても、公平な立場で捜査に臨むことが、真相発見につながっていくのが印象的でした。
 
シリーズは戦後まで続くようです。また放送して欲しいドラマです。