管理組合の運営に関するトラブル1|分譲マンションに関するQ&A

Q 私は管理組合の理事をしています。ある居住者が2年前から管理費等を全く払ってくれなくなり、現在まで50万円を超える滞納があります。何度も督促しているのですが、払ってくれる気配がなく、法的手段をとろうと考えています。どのような手段が可能でしょうか。

管理費を滞納しており任意に支払ってくれない居住者に対しては、以下の対応をお勧めします。

  • まずは、管理組合理事長名で、書面により支払いを督促します。それでも支払いがない場合には、弁護士に依頼して弁護士名で請求書を送り、それでも誠実な対応がない場合には法的手続きをとる旨通知します。その段階で返事があれば、分割払いを含めて柔軟な対応を試みます。
  • 上記のように弁護士から請求をしても支払がない場合は、訴訟を提起し、裁判での和解による一定期間内の分割支払を試みます。銀行口座や勤務先などが分かっていれば、判決に基づく差し押さえが有効です。
  • 特にマンション所有者が第三者に賃貸しているにもかかわらす管理費を未納の場合には、裁判を経ずに、賃料収入自体を直接に差し押さえて管理費の未納分に当てる、という法的手続きもとることができます。
  • 弁護士への依頼費用は、事前に管理規約で定めておくことによって、未払者に請求できます。管理規約の規定を確認し、まだ弁護士費用に関する規定をしていない場合は管理規約の早期改正をおこなってください。
  • 滞納額が長期間(4年以上が目安)で悪質な場合は、マンション専有部分の競売請求訴訟(区分所有法59条)を経て、強制競売による抜本的な対応も可能です。この場合は、仮に優先する住宅ローン等の抵当権が付いていても競売が実現可能です。

以上の手続きについて、当事務所では、豊富な経験に基づいて行なっています。弁護士への委任による請求費用は、1.であれば定額(5万2,500円)です。

管理費の未納は、早期に対応しないとマンション所有者間の公平感を損ね、未納者が増えると、マンションの管理や修繕計画にも影響がでかねませんので、早期の対応をお勧めします。