今年の5月22日、東京高裁で軽井沢スキーバス事故に関わるバス会社の社長と運行管理者の2名が業務上過失致死傷罪の責任を問われた刑事事件の控訴審判決がありました。利益の確保を優先して輸送の安全の確保を軽視 …続きを読む
今年の5月22日、東京高裁で軽井沢スキーバス事故に関わるバス会社の社長と運行管理者の2名が業務上過失致死傷罪の責任を問われた刑事事件の控訴審判決がありました。利益の確保を優先して輸送の安全の確保を軽視し続け、事故前には監督官庁からも安全に関わる法令違反を指摘されていたにもかかわらず、虚偽の弁明書を提出するなどして杜撰な運行管理を改めなかった責任は重大であるとし、2人に対して下された一審の長野地裁判決を維持したものです。その後、バス会社の社長は上告を行わず、同人についての判決は確定をしています。
私は、大阪に住むご遺族の被害者参加弁護士として法廷に同行していました。
ご遺族はこの判決を受けて、「遺族会として事故の根本原因と再発防止を働きかけてきたという意味で大きな結論だ。全国のバス会社の経営者に響いて、安全なバス運行に繋がればと思う。」とコメントされています。
事故を起こしたバス会社は、貸切バス事業への参入の規制緩和を受けて参入をした会社でした。事故を受けて国土交通省は、事業許可の更新制の導入や管理者の資格要件強化、運転手への点呼指導の強化、ドライブレコーダーの設置の義務づけなど、後追いでの対策が講じられました。しかし、今年起こった磐越道での高校生の部活遠征中の事故などでは、そのような規制が係る貸切バスでなく、貸切バス会社がレンタカーに運転手を手配する形での運行が繰り返され、運転手に対する指導管理が不十分なままで死傷事故が発生してしまいました。
今回の判決が、これらの会社と同じような安全の軽視する事業者に対して安全を見直すことに繋がることや、貸切バスを利用する側に対しても、安全な運輸には必要なコストが掛かるものであり、安いことが必ずしもいいことではないことへの理解を進める一助となればと思います。