コラム

建設アスベスト訴訟、大阪高裁で和解

2026.03.23

大阪高裁で闘われていた大阪建設アスベスト2陣・3陣訴訟で、原告と建材メーカー21社との間で和解が成立しました。提訴から9年。長い闘いの末の前進でした。建材メーカー12社が、被災者67名に訴外賠償の解決金を支払い、全ての被告建材メーカーが被害者に哀悼とお見舞いを表明し、うち10社が謝罪を行いました。そして、和解に際し、裁判所は、「過酷な被害に遭われた皆さまに心より哀悼を表し、一日も早い全体解決を期待する」と述べました。

原告さんら被災者らは、建設現場で長年働き、アスベスト(石綿)粉じんを吸い込み、悪性中皮腫(胸膜などにできるがん)や肺がんになってしまった方々です。これらの病気はいずれも命に関わる重い病気で、アスベストを吸い込んでから数十年も経ってから発症します。

この裁判の原告のKさんは、19歳から34年間、家族の生活を支えて、電工一筋で働いていましたが、働き盛りの53歳で中皮腫を宣告されました。病気の痛苦と、抗がん剤の副作用に,日々、苛まれながら、生きてるうちの早期の救済をと、何度も法廷で訴えました。つらい抗がん剤治療は続きますが、この度の解決を力に「治療に頑張ります」と述べておられます。

東部民商の会員であったNさんは、18歳から中皮腫になるまで56年間、頼まれれば何を置いても現場に駆けつけるという、地元で頼りになる現役の電気工でした。右胸の痛みで歩けなくなり、救急車で入院しました。中皮腫発症が判明、たった3か月で命を奪われました。一切の治療の術もないまま、家族に何かを語る時間の余裕さえありませんでした。

建設アスベストの訴訟では、未だ、未解決の問題点もあります。更に、大阪地裁では、4陣・5陣訴訟が続きます。当事務所からは、加苅匠弁護士と谷のふたりが,大阪アスベスト弁護団に参加しています。どうか、皆様のご支援をよろしくお願い致します。