コラム

令和の公害 「PFAS汚染」

2025.10.22

最近ニュースで取り上げられる機会も多い「PFAS」。有機フッ素化合物という化学物質を組み合わせて作られた人口物質の総称です。その中でも、焦げ付かないフライパンでおなじみのフッ素加工や防水スプレーなど身近な商品で使用されてきた「PFOA」は特に毒性が強く、発がん性や幼い子どもの発達神経への影響など、人体に様々な影響を与えることが実証され、WHOなどの国際機関でも認められています。日本では、2021年にようやく、製造・輸入が禁止されました。

ところが、今なお、日本各地で基準値を超えるPFAS汚染が次々と発覚しています。「永遠の化学物質」とも呼ばれるほど残留性が高く、後始末が困難であり、微細であるため拡散性も高いことから、地下水や土壌など様々な場所を長期間汚染し続けるためです。その水や空気、その土地で育てられた作物などを通して体内に入り込み、これまた血液中などに長期間蓄積され、後に悪影響をもたらします。「令和の公害」と言われる所以です。

関西でも、摂津市のダイキン工業周辺や明石川流域で基準値を大幅に超えるPFASが検出されました。不安に思う住民たちの声を拾い上げ、行政や企業に対し説明や対策、検査費用等の負担を求める運動を法的にサポートするため、弁護団が立ち上がりました。私もその一員です。

PFAS汚染は、特定の地域だけの問題ではなく、国民みなの問題です。一人一人の関心が社会問題となり、運動を加速させ、対策へとつながります。我が家でも「子供のミルクをつくる水」をきっかけにPFAS汚染について関心を持つようになりました。これを機に、ぜひご関心を寄せていただき、応援のほどよろしくお願いいたします。