「闇バイト」による事件が頻発しています。気軽に応募した「闇バイト」であっても、加担した犯罪が詐欺や強盗であれば、たとえ初犯であったとしても、被害金額や犯行の役割次第で即実刑、少年でも即少年院送致になり …続きを読む
「原爆裁判」は、原爆の被害を受けた原告らが、日本政府を訴えた裁判です。「虎に翼」の主人公寅子のモデル・三淵嘉子裁判官が担当した訴訟で、劇中でも取り上げられました。1963(昭和38)年12月に東京地裁で判決が言い渡されました(判例時報第355号に掲載)。
判決は、請求自体は棄却しましたが、「原爆の使用は当時の国際法上違法であった」と明言しました。
小規模の原爆であっても中規模の都市一つをほぼ全滅させること、広島に約33万人、長崎に約27万人の一般市民が住居を構えていたことなどから、両市への原爆投下は、当時の国際法に反する「無防守都市に対する無差別爆撃」であると判断しました。また、原爆により多数の市民の生命が失われ、生き残った者も、放射線の影響により戦後長年を経ても生命を脅かされている現実を指摘し、「不必要な苦痛を与えてはならない」という戦争法の基本原則に違反するとしました。
この判断は、核兵器廃絶を求める運動の理論的な基礎となったといえるでしょう。
また、判決は、戦争による被害について、「国家は自らの権限と自らの責任において開始した戦争により、国民の多くの人々を死に導き、傷害を負わせ、不幸な生活に追い込んだのである。しかもその被害の甚大なことは、とうてい一般災害の比ではない」と述べ、日本政府の原爆被害者に対する救済の不足を「政治の貧困」と嘆きました。
日本被団協は、被爆者健康手帳・原爆症認定の申請援助や、被爆者による裁判の支援などを行ってきました。その長年の活動は、日本政府に対し、判決が言及した「政治の貧困」を克服し、原爆被害者救済の責任を果たすよう求め続けてきたものです。