コラム

建設アスベスト訴訟が最高裁で勝利しました

2021.08.22

 5月17日、最高裁判所は、概ね昭和50年以降、建設作業に従事した原告(労働者だけでなく、一人親方、個人事業主にも)に、国と建材メーカーの損害賠償責任があると認めました。 

 そして、国は、被害者に謝罪し、 現在裁判中の方々、更には未提訴の被害者についても、訴訟によらない解決を図るという、基本合意が、国と原告・弁護団との間で成立しま した。 

全国の被害者とともに、大阪でも、 提訴から10年間を闘い、勝ち取った判決です。 

 アスベストによる中皮腫や肺がんなどの病気は、吸い込んでから数十年後に発症し、命の危機に直面する病気です。大阪の裁判でも、裁判中に何人もの原告さんが命を奪われました。大工さん、左官さん、電工さん、「一生懸命に自分の仕事をしてきた。その結果がこの病気か。」と、無念のうちに、亡くなられました。職人としてその腕一本で生きてこられた方ばかりでした。建材メーカーはその利益追求のためにアスベスト建材 を作り続け、そして、国はそれを規制もせず助長しました。 

 これまで、泉南アスベスト訴訟、 建設アスベスト訴訟と弁護団に参加し、被害者の方々とともに闘ってきました。しかし、ここで終わりではありません。建材メーカーに対する裁判は続きます。また、アスベスト建材を使った建物は280万棟もあり、2040年に解体のピークを迎え、アスベストの被害が今後も出続けることが確実とされています。まだまだ、アスベスト被害者救済の課題は山積みです。