問い 長年住んでいた借家から転居することになりましたが、家主さんから原状回復をするよう求められました。何をすれば良いのでしょうか。 答え 転居によって建物の賃貸借契約が終了すると、借主には原状回復をす …続きを読む
自動車の事故というと、自動車同士が衝突・追突や、自動車が歩行者・自転車に接触するなど、自動車の走行中に発生するものが一般的なイメージでしょう。
実は「自動車事故」として、賠償請求を行うことができる範囲は、より幅広いものです。
Xさんは、飲食店での会合後、店の送迎バスに乗車しようとしました。その際、停車していた送迎バスのスライド式ドアが閉まり、Xさんは転倒して後頭部を地面に打ち付け重傷を負いました。
私は、Xさんの相談を受け、自動車事故の場合の手続を使って、損害賠償請求を行うことにしました。
自動車固有の装置が操作されて発生した人身事故については、その自動車が加入する自賠責保険への請求を行うことができます。ドアの開閉による事故や、リフトなど自動車の装置を操作して荷物の積み下ろしを行っている際の事故についても可能です。走行中の事故に限りませんし、道路以外の場所で発生した事故も対象となります。
Xさんのケースでも、送迎バスの所有者が加入する自賠責保険に対し請求を行いました。自賠責保険には後遺障害認定の制度があり、高次脳機能障害について高い等級が認定されました。この等級を基礎に、損害額の交渉を行い、示談が成立しました。
自動車の所有者は、人損事故の損害賠償をカバーするため、自賠責保険に強制的に加入し、任意保険にも加入しています。Xさんの被害は大きなものでしたが、これらの保険により支払が確保されていたので、被害を補償するだけの損害賠償の支払を受けることが出来ました。
人身事故では、損害額が大きくなることがままあります。自動車事故として救済を図る可能性の検討が重要といえます。