コラム

終焉を迎えた後のこと  残される人の心構え

2023.07.25

問い 父が末期がんにかかり、主治医から、いざという時のための準備をしておくようにと言われました。どのような準備をしておけば良いでしょうか。

 

答え 悲しみに暮れている暇もなく、たくさんの手続が待っています。特に遺産分割が絡む場合には複雑な手続を取る必要があり、事前に弁護士に相談しておくことをお勧めします。

葬儀-死亡届の提出や斎場の手配、告別式や後日の法事の準備など、素人には手に負えない多くの作業があり、葬儀社にほぼ一任することになります。信頼できそうな葬儀社を見つけて早めに相談し、誰が喪主になるか、宗派をどうするか、どの程度の予算を使うかなど、予め決めておく方が良いでしょう。

各種支払と請求-病院からの治療費の請求や年金・保険金の精算など、煩雑な作業が待っています。本人の了解を得て、予め預金を引き出し現金を用意しておきましょう。逆に、年金等の入金もあるので、預金口座自体は暫く残しておく必要があります。

相続税-相続税の申告期限は、通常は死亡後10カ月です。四十九日が済んでから準備を始めれば十分間に合いますが、遺産分割で争っている場合などには期限を忘れてしまうことがありますので、気を付けてください。

遺産分割-相続放棄にも原則として3か月の期限がありますが、遺産分割には期限がありません。しかし、相続税の申告をする前に遺産分割をしておくと、税制上、何かと優遇されますので、早めに済ませておく方が良いでしょう。