コラム

離婚時の財産分与の考え方 親から自宅の頭金を出してもらっていたら

2022.10.30

問い

夫との離婚を考えています。結婚後に自宅を建て、私の父母から頭金を出してもらいました。自宅は夫の名義で、住宅ローンは終了しています。離婚の際、財産分与は夫婦半分ずつと聞きましたが、私の親から頭金を出してもらった分は考慮されないのですか。

 

答え

離婚時には、婚姻中に形成した夫婦共有財産の分与を求めることができます。分与の割合は、特段の事情がない限り2分の1ずつです。

夫婦いずれかの親から相続や贈与により取得した財産、結婚前に取得した財産などは、夫または妻の「固有財産」であり、財産分与の対象になりません。

不動産の購入資金がいずれかの固有財産から支出された場合、財産分与の際、その不動産の取得割合に反映されることになります。

ご相談のケースで、自宅購入時に頭金1000万円、住宅ローン2000万円だったとすると、あなたの父母が出してくれた金額を考慮して、財産形成の寄与度はあなたが3分の2、夫が3分の1ということになります。あなたは自宅不動産について3分の2の割合で、夫に財産分与を求めることができます。

財産分与の計算は複雑になることも多く、弁護士に相談して進めていただくことが適切です。