コラム

借家契約の名義人が亡くなった。 遺産分割協議をして家主に伝えましょう。

2022.03.01

問い

私は借家に住んでいますが、借家契約をしていた夫が亡くなりました。このまま住み続けることができますか。

 

答え

借家の場合、通常は家主との間で賃貸借契約を締結していますから、賃貸借契約の当事者として契約した名義人が借家に住む権利を持っています。

そして、名義人が亡くなった時には、賃貸借契約は終了せず、借家に住む権利は、相続人全員が相続分に応じて相続することになります。

ですから、賃貸借契約を締結していた夫が亡くなったからといって、貴方が立ち退く必要はありません。

ただし、遺産分割協議が整うまでは、家賃の支払いなど、賃借人の義務も相続人全員が相続していますので、余計なトラブルが起きる可能性がありますので、早めに遺産分割協議をして、新しい名義人を家主に知らせておく方が良いでしょう。

なお、その時に家主から賃貸借契約書の書換えを求められることがありますが、書換えに応じる必要はありません。

もし、賃貸借契約を書き換える際には、借家法が改正された平成4年8月1日以前に契約を締結していた場合には、改正前の借家法の適用があることを明記しておかないと、不測の損害を被ることがありますので、注意してください。