このたび、旬報社から、「最新テーマ別〈実践〉労働法実務シリーズ」(全13巻)が刊行されることになりました。 私はその編集委員ですが、第1巻の執筆も担当することになり、2024年7月、標題の書籍を上梓し …続きを読む
問い 夫がギャンブルのため質の悪い金貸しから多額の借金をして失踪してしまいました。金貸しが、妻である私や子ども、夫の両親に、「家族なんだから、借金を払え」としつこく請求してきます。支払いをしなければなりませんか。
答え 妻や子どもといっても、別の個人である以上、夫の借金を返済する義務はありません。夫の父母も同様です。
例外は、妻や子どもが借金の保証人になっている場合ですが、保証は書面で行わなければならないので、書面にサインしていなければ支払義務はありません。
また、夫婦は、お互いに、日常の買い物で出来た債務については、連帯して支払う債務を負いますが(民法761条)、あなたの夫はギャンブルのため多額の借金をしたので、これにも当たらないでしょう。
ただし、夫が死亡した場合は、妻と子どもは、法定相続人ですので、借金を支払う義務を相続することになります。夫の死亡が分かってから3か月以内に、家庭裁判所に相続放棄の申述の手続きをする必要があります。
悪質な債権者(金貸し)は、家族に支払義務が無いことを分かっていながら、強行が取立てをすることがあります。困ったときは、弁護士に対応をご相談ください。