2024年4月1日から、相続登記申請が義務化となりました。その内容は、相続人は、不動産(土地・建物)を相続で取得したことを知った日から3年以内に、相続登記を法務局へ申請しなければならないというものです …続きを読む
新型コロナウイルスの感染者は世界で800万人を越え、死者は43万人を越えている(2020.6時点)。今後、第2波・3波の危険があり、感染者・死者はさらに増えると見込まれる。
この新型コロナの感染者・死者を大幅に上回るウイルス感染症が既に私たちの身の回りにある。B型肝炎である。B型肝炎ウイルスの感染者は世界で2億4千万人であり、年間78万人以上(累計ではなく、毎年この人数)がB型肝炎によって死亡している。世界最大級の感染症である。日本での現在の感染者は110万人~140万人といわれている。
日本でもこれほどまでに感染者が増えた理由は、①人類とB型肝炎ウイルスが共存した時からあった出産時の母子感染に加えて、②注射器等の医療器具を通じての感染増大である。日本では昭和期(1988年頃まで)に行われた集団予防接種における注射器の使い回しが一番の原因である。このB型肝炎被害者が全国で声をあげた結果、2011年にようやく国に被害者救済制度を作らせることができた。
また、B型肝炎ではとても良く効くワクチンの開発が成功し、1985(昭和60)年から母がウイルス陽性の子全員を対象に出産後のワクチン接種が制度化された。さらに2016年からは母の陽性・陰性に関係なく全てのゼロ才児にワクチン接種が制度化された。こうして日本由来の新たな感染の押さえ込みは成功している。2006年以降治療薬も開発され、副作用のより少ない治療薬や治療法が順次開発されている。
その一方で世界との人的交流にともない新たな遺伝子型のB型肝炎の日本での増加に対して警鐘が鳴らされている。人類とウイルスのたたかいには共通項や共通する教訓がたくさんある。新型コロナウイルスについても、良い治療薬と良いワクチンが早く開発され、それが世界で求める人に等しく届けられることを期待するばかりである。