このたび、旬報社から、「最新テーマ別〈実践〉労働法実務シリーズ」(全13巻)が刊行されることになりました。 私はその編集委員ですが、第1巻の執筆も担当することになり、2024年7月、標題の書籍を上梓し …続きを読む
美容師のAさんは、30年以上も同じお店で働いてきました。給料は歩合給で、店の売り上げのうちの約半分を歩合で受け取るというものでした。
以前から、何件かのカード会社からの借り入れがありましたが、給料の中からなんとか月々の支払いもできていました。ところが、新型コロナ禍で、店のお客が激減し、4月、5月の給料が数万円になってしまいました。たちまち、自宅の家賃支払いもままならなくなって、カード支払いに行き詰まってしまいました。
相談のうえ、やむなく裁判所に破産を申し立てることにし、現在準備中です。
コロナ問題で、観光業や飲食業などで、閉鎖や倒産が相次いでいるといいます。
Aさんは、長年自分の腕一本で働いて生活をしてきました。高齢でもあり、このままの収入で推移すれば生活保護申請も検討せざるを得ない状況です。
コロナ禍は、普通に働いて生きてきた人の生活を直撃し、足元から崩してしまっています。いろいろな臨時の支給金などの手当では間に合わない時には、破産申立、個人再生申立などの法的手続きで,生活の再建をはかるというのも、手立ての一つかと思います。