コラム

法律相談Q&A:長屋の隣が取り壊された!

2019.02.18

Q: 私は、親の代から数十年間も、借地上の4戸1の長屋の1軒を所有し、居住してきました。昨年、元の地主がY不動産に土地を売却して地主が変わりました。

また、4戸1の建物うち、私方以外の3軒はY不動産が買い取りました。このたび、Y不動産は、私方以外の建物を取り壊してしまい、私方は、長屋の両側の建物を切り離された格好になり、両側の間仕切り壁がむき出しとなりました。

私は、これからもこの建物に住みたいと希望しています。このままでは、不用心ですし、地震や大雨がきたらどうしようと不安です。

 

A:まず、地主が変わっても、借地契約は変わらず、借地人としての権利も変わりませんので、居住を続けることに問題はありません。

そして、両側の建物取り壊しについても、次のような請求ができます。

長屋は、隣同士が建物の屋根、壁、基礎などを共有していますので、区分所有法が適用されます。区分所有法では、区分所有者は、建物の保存や共同の利益に反してはならず(区分所有法6条1項)、「共有部分の変更が専有部分の使用に特別の影響を及ぼす時には、事前に承諾を得る必要がある」(17条2項)としています。つまり、長屋の共有の壁等を取り壊すのですから、隣家の事前の承諾なく、取り壊すことは違法です。従って、Y不動産の取り壊し行為は、違法なものですので、不法行為に基づき建物の補修工事費用などについて、損害賠償請求ができます。さらに、自分で先に壁の補修工事をして、その代金を損害賠償請求することもできます。