問い 長年住んでいた借家から転居することになりましたが、家主さんから原状回復をするよう求められました。何をすれば良いのでしょうか。 答え 転居によって建物の賃貸借契約が終了すると、借主には原状回復をす …続きを読む
「これがあなたを追い詰めた日本の姿だよ」。六月二九日に国会で「働き方改革法」が成立した直後に、電通入社一年目で過労自殺した高橋まつりさんの母幸美さんが彼女の遺影に語りかけた言葉でした。安倍首相は、そうした過労死家族の会との面談も拒否し、国会を延長させて、この法案を成立させたのです。
今さらですが、「働き方改革法」は、労働者が望んだものではありません。なるほど、長時間労働規制も入ってはいますが、例外がひどすぎる。月平均八〇時間、年間九六〇時間という、過労死レベルまで残業が許されるというのです。
この間の国会論戦で、当初の案に入っていた「定額働かせ放題制」こと「裁量労働制」拡大は、偽データ問題(「裁量労働制の人が労働時間が短い」という安倍首相の答弁の根拠となるデータが、でたらめであったことが判明)により、撤回されました。
しかし、「スーパー裁量労働制」とも言われる「高度プロフェッショナル制度」はそのまま実現してしまいました。これは、かつて第一次安倍政権が断念した「ホワイトカラーエグゼンプション」が亡霊のように復活したものです。仕事の量が減るわけではないのに、労働者を守ってくれるはずの労働基準法が適用されなくなるのですから、これが「過労死促進法」と批判されるのは当然です。
当事務所には残業代や過労死の相談が多数寄せられています。今後、過労死が自己責任とされて多くの被害者や遺族が泣き寝入りを強いられることは、断じて許してはなりません。