コラム

マンションの管理費滞納ってどうしたらいいの?

2018.04.16

マンションに住む世帯が多くなった。分譲から一定期間を経過したマンションで頭を悩ますのが管理費の滞納問題だ。

私が相談をうけたマンションでは3年以上の長期滞納が数件あったが、以前相談した弁護士さんからは住宅ローンの抵当権が残っていて裁判はできるが差押え財産がなく支払いを強制できないといわれてマンションの役員さんは困っていた。そもそも弁護士費用や裁判費用がかかることから弁護士への依頼をためらう役員さんも多い。

しかし、現在ではマンション管理費滞納問題ほど「法的な対応」が簡単なものはない。管理規約さえしっかり整備しておけば、普通の未払い事件とは違って弁護士費用や裁判費用を滞納者に対して請求できる。

私が相談をうけたマンショでも管理規約の改正を臨時総会で行ったうえで、「このまま滞納を続けると滞納管理費に加えて弁護士費用○○万円も支払う義務が生じて貴殿の負担はさらに大きくなる。誠実な対応を求める。」という内容証明郵便を送ると滞納者から返事があり、分割払いで解決した。

さらに滞納が5年経過している事案では、「マンション所有者全体の共同の利益に反する行為」として住宅ローン抵当権が残っていても強制競売ができるという判例を根拠にして、実際にマンションを強制競売した。マンションの買受人から未払い管理費と弁護士費用・裁判費用の全額を支払ってもらって解決することができ、役員さんたちから喜んでもらえた。

管理規約の整備をしておき、それを背景にしつつ管理費滞納が始まり出した時に早期に対応することによって、長期滞納の発生を防ぐ効果も期待できる。