太陽光発電事業者が住民を提訴 ある業者が、淡路島(兵庫県)ののどかな集落の中心にある寺社のご神体の山を切り拓いて太陽光発電所を建設する計画を立て、地権者を籠絡して発電所用地の賃貸貸借契約を締結した。し …続きを読む
職場の歓送迎会参加後、残業に戻る途中の交通事故で亡くなった被災者について、最高裁は、労災と認めなかった労働基準監督署の決定を取り消しました(最高裁平成28年7月8日判決)。
労災と認められるためには「事業主の支配下にある状態」での被災が要件となります。このケースでは、歓送迎会は中国人研修生との親睦を深めるために上司の発案で会社の費用で行われたもので、忙しくしていた被災者にも上司が頼み込んで参加してもらったものでした。
そして、被災者はお酒は飲まず、終了後、研修生を会社の車でアパートに送り届けてから残業に戻ろうとして、その途中で事故に遭われたのでした。これを労災と認めた最高裁の結論は当然です。
気になるのは、最高裁が、歓送迎会は上司の強い意向によるもので終了後残業に戻るよう要請していたといえること、歓送迎会が研修目的を達成するための会社行事の一環と評価できること、研修生を送ることも予定されていたものでルートも大きく逸脱していないこと、などと、くどくど述べていることです。
「事例判決」とはいえ、あまりこれを限定的にとらえるのは誤りだと思います。むしろ、会社が参加を求めた企画であれば、時間外であれ社外であれ、その前後の時間も含めて原則として「事業主の支配下にある状態」というべきでしょう。