問い 長年住んでいた借家から転居することになりましたが、家主さんから原状回復をするよう求められました。何をすれば良いのでしょうか。 答え 転居によって建物の賃貸借契約が終了すると、借主には原状回復をす …続きを読む
高市総務相が、放送局が政治的な公平性を欠くと判断した場合、電波法76条に基づき電波停止を命じることがあると発言して物議を醸しています。例によって、安倍首相はこれを容認です。
なるほど、放送法4条1項2号は、放送事業者に、政治的に公平であることを求めています。しかし、公権力がこれを根拠に権限を行使すると表現の自由に抵触することになることから、通説はこの規定を放送局の倫理規範と解しています。公権力がこれに手を出してはいけないのです(そういえば、安倍政権って、憲法学はとことん無視でしたね)。
まるで戦前と同じ「弁士中止!」。この件に限らず、安倍内閣は、権力にかさにきて異論を押しつぶそうとする傾向が顕著です(安倍氏自身は首相になる前からそうでしたが)。次は「焚書坑儒」でしょうか。「イクメン」転じて「ゲスの極み」で議員辞職した宮崎謙介前衆院議員の素行を暴いた「週刊文春」だって、やばいかもしれませんね。
そもそも、どんな社会でも、権力や権益を持っている人間は自由に発言できます。戦前だってそうでした。北朝鮮にだって、将軍様を称える自由はあるんです。
表現の自由の核心は、少数意見の表明の保障にあります。そして、民主主義社会におけるマスコミの存在意義は、権力の監視にあります。「両論併記」なんかがマスコミの仕事ではありません。というか、政権党を批判できないマスコミなんて、存在する値打ちはありません。
ひょっとしたら、高市総務相や安倍首相は、日本の放送局にも、北朝鮮の国営放送のように、アナウンサーに自分たちのことをほめちぎってほしいのでしょうか?いやいや、まさか…
恐ろしいのは、こうした安倍政権の居丈高な態度に迎合する者が各地で出てきていることです。たとえば、市民団体などが憲法や集団的自衛権をめぐる催しを企画していたのが、官邸の意向を気にした自治体当局から会場使用を拒否されたりする事件がいくつも発生しています。これは大変危険な状況だと思います。
いま、この日本社会が大きな曲がり角にきていることが実感させられます。